ポータブル電源の普段使いで電気代は安くなる?元が取れるか検証

ポータブル電源の普段使いで電気代は安くなる?元が取れるか検証
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電気代の値上がりが止まらず、毎月の明細を見るのが少し怖くなってしまう今日この頃、みなさんはどう対策されていますか?「家にポータブル電源があるなら、これを普段使いして少しでも電気代を安くできないかな?」と考えるのは、家計を預かる身として当然の発想だと思います。

私も最初は「太陽光で充電すれば、電気代タダで生活できるかも!」なんて夢を見ていました。

でも、実際に電卓を叩いて計算してみたり、毎日使い続けてみたりすると、想像していなかった「落とし穴」や、逆にお金がかかってしまうリスクが見えてきたんです。ただ、ガッカリしないでくださいね。正しい知識を持って運用すれば、賢く活用することも十分に可能です。

この記事では、メーカーのカタログスペックだけでは分からない、主婦目線のリアルな数字と運用術を包み隠さずお話しします。

  • ソーラーパネルを使わずにコンセント充電だけで節約しようとする際のリスク
  • ポータブル電源の購入費用を回収するために必要な年数のシビアな試算
  • 大切なバッテリーの寿命を縮めずに、長くコストパフォーマンスを維持する方法
  • 普段使いを前提とした場合に選ぶべきポータブル電源の必須スペック
目次

ポータブル電源の普段使いで電気代は安くなる?

ポータブル電源の普段使いで電気代は安くなる?
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まず、一番気になる結論からズバリお伝えしますね。ポータブル電源を「家庭のコンセントから充電」して、それを「家電に使う」という方法だけでは、電気代は安くなりません。それどころか、計算上は「普通に壁のコンセントを使うよりも電気代が高くなる」という結果になってしまいます。

「えっ、貯めた電気を使うだけなのに、どうして高くなるの?」と不思議に思いますよね。実はそこには、目に見えない「電気のロス」という仕組みが隠れているんです。ここでは、なぜそうなってしまうのか、そしてどうすればプラスに転じることができるのかを詳しく解説していきます。

ソーラーパネル併用が節約の鍵になる理由

ポータブル電源を使って電気代を削減したいのであれば、「ソーラーパネル」との併用は絶対条件だと思ってください。これがないと、節約のスタートラインにも立てないと言っても過言ではありません。

なぜコンセント充電だと損をするのか

ポータブル電源を家のコンセント(交流電気)から充電する際、バッテリーに貯めるために直流電気に変換します。そして、貯めた電気を家電で使う際に、再び交流電気に戻します。この「変換」を行うたびに、実は熱などでエネルギーが逃げてしまっているのです。これを「変換ロス」と呼びます。

一般的なポータブル電源の電力効率は、約80%〜90%程度と言われています。つまり、100円分の電気を充電しても、実際に使えるのは80円〜90円分くらいということ。残りの10円〜20円分は、熱となって消えてしまうんです。これでは、壁のコンセントから直接家電を使ったほうが無駄がありませんよね。

太陽光発電なら「燃料費ゼロ」

ここで登場するのがソーラーパネルです。太陽光という「無料のエネルギー」を使って発電すれば、変換ロスがあろうと、元手がタダなので確実にプラスになります。

普段使いの鉄則
「コンセント充電」はあくまで予備。電気代を減らしたいなら、ベランダや庭で「お日様の力」を集める自産自消スタイルが必須です。

例えば、天気の良い日にベランダで100W〜200Wのソーラーパネルを広げてポータブル電源を充電し、その電気で夜にスマホの充電やノートパソコンの使用、サーキュレーターの稼働をまかなう。この小さな積み重ねだけが、確実に電気代を減らす唯一の方法なんです。

これからソーラーパネルを導入しようか迷っている方は、選び方のポイントをまとめた記事も参考にしてみてくださいね。
失敗しないソーラーパネルの選び方とおすすめ機種

電気代の計算方法と元が取れるまでの期間

では、実際にソーラーパネルを導入したとして、ポータブル電源本体とパネルの購入費用(イニシャルコスト)の「元を取る」にはどれくらいの期間が必要なのでしょうか。ここは少しシビアな現実を直視する必要があります。

仮に、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。数字を見ると、現実的な運用イメージが湧いてくるはずです。

シミュレーション条件
購入費用100,000円(本体+パネルセット)
電気代単価31円/kWh(一般的な目安)
1日の節約電力量約1,000Wh(1kWh)※かなり好条件
1日の節約金額31円

「毎日晴天で、毎日1kWh(1000Whクラスのポータブル電源を満タンにして使い切る量)をタダで発電できた」という、かなり理想的な条件で計算してみます。

回収期間の計算

  • 1ヶ月の節約額:31円 × 30日 = 930円
  • 1年間の節約額:930円 × 12ヶ月 = 11,160円
  • 元が取れるまでの期間:100,000円 ÷ 11,160円 = 約8.9年

いかがでしょうか。毎日欠かさず使って、約9年かかります。実際には雨の日もありますし、外出していて充電できない日もあるでしょう。そうなると、10年〜15年かかる可能性も十分にあります。バッテリーの寿命を考えると、電気代の節約分だけで元を取るのは非常にハードルが高いことが分かりますね。

電気代高騰の影響は?
もちろん、今後さらに電気代が上がれば、この回収期間は短くなります。経済産業省資源エネルギー庁のデータを見ても、燃料価格の高騰により電気料金は上昇傾向にありますので、節約効果自体は年々高まっていくと考えられます。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2023年度版』)

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深夜電力を充電に使って賢く節約する

深夜電力を充電に使って賢く節約する
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「うちはマンションで日当たりが悪くてソーラーパネルは置けない…」という方も諦めないでください。次善の策として「深夜電力プラン(時間帯別料金)」を活用する方法があります。

ピークシフトという考え方

電力会社との契約プランによっては、夜中(例:23時〜翌7時)の電気代が昼間の半額近くに設定されていることがあります。この安い時間帯に家のコンセントからポータブル電源に電気を貯めておき、電気代が高い昼間の時間帯にその電気を使う方法です。これを専門用語で「ピークシフト」と呼びます。

例えば、深夜料金が1kWhあたり15円、昼間が30円だとします。
1kWhを充電して昼間に使えば、差額の15円分がお得になる…と思いきや、ここで先ほどの「変換ロス(約20%)」を思い出してください。

  • 1kWh貯めるのに必要な電気:約1.2kWh(ロス分含む)
  • 充電コスト:1.2kWh × 15円 = 18円
  • 昼間に使う価値:1kWh × 30円 = 30円
  • 実質のお得額:30円 – 18円 = 12円

このように、ロスを差し引いてもプラスになるならやる価値はあります。ただし、最近は燃料調整費の高騰で深夜電力の割引幅が小さくなっている地域もあります。

必ず確認を!
ご自宅の電気料金プランが「従量電灯(使った分だけ一律)」の場合は、深夜に充電しても料金は安くならないため、この方法は使えません。変換ロスの分だけ損をしてしまうので注意してくださいね。

節約目的だけなら買わないほうがいい?

ここまで、かなりシビアなお金の話をしてきました。「なんだ、全然元が取れないじゃないか」と購入意欲が削がれてしまった方もいるかもしれません。正直なところ、もしあなたが「純粋に金銭的な得だけを求めて」ポータブル電源を買おうとしているなら、私は「やめておいたほうがいい」とお伝えします。

10万円の投資を回収するのに10年かかるなら、その資金で以下のような投資をしたほうが、即効性のある節約になります。

  • 10年以上前の古い冷蔵庫を最新の省エネモデルに買い換える
  • 窓に断熱シートや内窓をつけて、エアコンの効率を上げる
  • 家中の照明をすべてLEDに変える

それでも私がポータブル電源をおすすめする理由

では、なぜ私はポータブル電源を愛用し、みなさんにおすすめしているのか。それは「お金には代えられない安心感(プライスレスな価値)」があるからです。

台風や地震で停電した夜を想像してみてください。スマホの充電が切れそうで不安な中、ポータブル電源があれば情報を得られます。暑い夏なら扇風機が、寒い冬なら電気毛布が使えます。この「命と心の安らぎを守る保険」に、さらに「キャンプや車中泊で遊べる楽しみ」がついてきて、その上「普段使いで月数百円でも電気代が浮く」と考えれば、決して高い買い物ではないと私は思うのです。

普段使いするメリットとデメリット

節約以外の視点も含めて、ポータブル電源を普段使いすることのメリットとデメリットをしっかりと整理しておきましょう。ここを理解して使うのと使わないのとでは、満足度が大きく変わります。

メリット:いざという時の「失敗」がなくなる

防災用として押し入れの奥にしまい込んでいると、いざ災害が起きた時に「充電していなかった!」「使い方が分からない!」「ケーブルがどこにあるか不明」という事態になりがちです。これを「防災あるある」で済ませてはいけません。

  • 操作に慣れる:普段からスマホの充電などに使っていれば、家族全員が自然と使い方を覚えられます。
  • 常に満充電を維持:「ローリングストック」のように電気も回転させることで、バッテリー切れのリスクを防げます。
  • コンセント不足の解消:電源がない部屋や、ダイニングテーブルの真ん中でホットプレートを使いたい時など、延長コードなしで電源を確保できるのは意外と便利です。

デメリット:設置場所とバッテリー劣化

ここには注意
最大のデメリットは、やはり「バッテリーの寿命」です。スマホと同じで、使えば使うほど電池はヘタっていきます。毎日充放電を繰り返すと、数年後、本当に災害が起きた時に「スペック通りの容量が使えない」という状態になっている可能性があります。

また、充電中は冷却ファンが回って「ブオーン」という音がすることがあるので、寝室の枕元などで使う場合は音が気になるかもしれません。こういったリスクを最小限に抑える方法については、次の章で詳しく解説しますね。

ポータブル電源を普段使いして電気代削減するコツ

ポータブル電源を普段使いして電気代削減するコツ

せっかく安くないお金を出して手に入れたポータブル電源です。できるだけ長く、そして賢く使い倒したいですよね。ここでは、大切な機材を傷めずに、少しでも電気代削減に貢献させるための具体的なテクニックと、失敗しない機種選びについてご紹介します。

バッテリー寿命とサイクルの関係

普段使いをする上で最も気にしなければならないのが、バッテリーの「サイクル数(寿命)」です。サイクル数とは、バッテリー容量を0%から100%まで充電し、それを0%になるまで使い切る行程を「1サイクル」として、何回繰り返せるかという指標です。

電池の種類で寿命が5倍も違う

ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池には、大きく分けて2つの種類があります。ここの選択を間違えると、普段使いには向きません。

電池の種類サイクル回数の目安寿命のイメージ(毎日使用)
三元系リチウムイオン500回〜800回約1.5年〜2年
リン酸鉄リチウムイオン3,000回〜4,000回以上約10年以上

以前主流だった「三元系」は軽くてコンパクトですが、毎日使うと2年ほどで寿命(容量が新品時の80%以下になる)を迎えてしまいます。これではコスト回収どころではありません。

一方、最近の主流である「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)」であれば、毎日充放電しても10年以上使える計算になります。普段使いをして電気代を節約したいなら、「リン酸鉄」モデルを選ぶのが絶対条件です。もしこれから購入するなら、ここだけは譲らないでくださいね。

冷蔵庫など常時稼働家電への接続

「冷蔵庫のコンセントをポータブル電源に繋ぎ変えれば、24時間ずっと節約できるのでは?」と考える方は非常に多いです。確かに冷蔵庫は家庭の消費電力の大きな割合を占めますが、ポータブル電源で動かすにはいくつかのハードルがあります。

起動電力と待機電力の罠

まず、冷蔵庫はコンプレッサーが動き出す瞬間に、定格消費電力の数倍〜10倍もの「起動電力(サージ電力)」を必要とします。例えば、普段は50Wしか使わない冷蔵庫でも、動き出す瞬間に500W〜800W必要になることがあるのです。出力の小さいポータブル電源だと、安全装置が働いて止まってしまうことがあります。

また、ポータブル電源自体も、電源が入っているだけで消費する電力(自己消費電力)があります。インバーターを動かすために常に電力を食うため、省エネタイプの冷蔵庫だと「冷蔵庫が使う電気」よりも「ポータブル電源自身が消費する電気」の割合が無視できなくなります。

おすすめの使い道
冷蔵庫のような「つなぎっぱなし家電」よりも、「使う時だけ電源を入れる家電」の方がロスが少なく効率的です。例えば、洗濯機を回す時だけつなぐ、ドライヤーを使う時だけつなぐ、といった使い方がおすすめです。

パススルー充電機能の有無を確認する

深夜電力を充電に使って賢く節約する
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ポータブル電源を家の中に常設して普段使いするなら、絶対に欠かせない機能が「パススルー充電」です。

通常、バッテリーは「充電しながら放電(使用)する」という行為を非常に嫌います。これをやるとバッテリー内部が高熱になり、寿命が一気に縮んでしまうからです。しかし、パススルー機能がついている機種なら、コンセントから入ってきた電気をバッテリーを通さずに直接家電へ流すことができます(バイパス給電)。

さらに進化した「EPS/UPS機能」

最近の上位機種には、さらに進化した「EPS(非常用電源)」「簡易UPS(無停電電源装置)」という機能がついています。

  1. 普段はコンセントの電気をそのまま家電に流す(バッテリーは休ませる)。
  2. 停電して電気が止まった瞬間、0.02秒などの高速でバッテリー給電に切り替える。

この機能があれば、パソコンや水槽のポンプ、防犯カメラなど「止まると困る家電」につなぎっぱなしにしておいても、バッテリーを痛めることなく、停電対策と普段使いを両立できます。普段使いメインなら、この機能の有無はカタログで必ずチェックしましょう。

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普段使いにおすすめのリン酸鉄リチウム

これまでの内容を踏まえて、これから購入を検討されている方へ「普段使いで失敗しない選び方」のポイントをまとめます。お店やネットで選ぶときは、以下のスペック表を頭の中に描いてみてください。

普段使い最強スペックの条件

  • 電池の種類:絶対に「リン酸鉄リチウムイオン電池」(サイクル3,000回以上)
  • 充電機能:「パススルー」または「EPS/UPS機能」搭載
  • 容量:持ち運びと容量のバランスが良い「中容量(500Wh〜1000Wh前後)」がベスト
  • 拡張性:あとから電気代削減効果を高められるよう「ソーラーパネル」に対応しているか
  • アプリ連携:スマホで残量確認や充電速度の調整ができると、管理がとても楽です

特に容量に関しては、大きすぎると重くて掃除の時に邪魔になりますし、小さすぎるとドライヤーや電子レンジが動きません。1000Wh前後のモデルが、家庭での普段使いには最も「つぶしがきく」サイズ感だと、実際に使っていて感じます。

ポータブル電源の普段使いと電気代のまとめ

ポータブル電源の普段使いと電気代のまとめ

長くなってしまいましたが、最後にポータブル電源の普段使いと電気代について、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • コンセント充電だけでは「変換ロス」で電気代は逆に高くなるリスクがある
  • 節約を成功させる鍵は「ソーラーパネルでの自産自消」と「深夜電力の活用」
  • 金銭的に「元を取る」には10年近くかかる覚悟が必要だが、「防災」という安心感はプライスレス
  • 普段使いするなら、寿命の長い「リン酸鉄リチウム」と、バッテリーを守る「パススルー機能」が必須

ポータブル電源は「電気代をゼロにする魔法の箱」ではありません。でも、日常の中にこれを取り入れることで、エネルギーを自分で作る楽しさを知ったり、「今、どれくらい電気を使っているんだろう?」と意識が変わったりします。

何より、「いつ災害が起きても、我が家には電気がある」という心の余裕は、何にも代えがたい財産になります。まずは、スマホの充電をソーラー発電でまかなう小さな「オフグリッド生活」から始めてみませんか?それだけでも、毎日の暮らしがちょっと楽しく、そして頼もしいものに変わるはずですよ。

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