RAV4での車中泊において多くのオーナーが直面するのが、後部座席を倒した際に生じる傾斜や段差の問題ではないでしょうか。アクティブなSUVとして人気のRAV4ですが、快適に寝るためにはフルフラット化に向けたちょっとした工夫が必要です。
この記事では、運転席の調整や後部座席の倒し方はもちろん、ニトリで手に入る便利なグッズや専用のベッドキットを活用して、二人でも快適に過ごせる空間作りのノウハウをご紹介します。
また、気になるRAV4とハリアーどっちが広いかという疑問や、車中泊における乗り心地はどうか、場所選びに関わる最低地上高はどれくらいかといったスペック面についても詳しく解説していきます。
- RAV4の後部座席を倒してフルフラットに近い空間を作る基本手順
- RAV4とハリアーの荷室サイズや車中泊適性の具体的な違い
- ニトリのアイテムや専用ベッドキットを使った効果的な傾斜・段差解消法
- 二人での車中泊を快適にするための空間活用とグッズ選びのコツ
RAV4の車中泊は傾斜の攻略が鍵

- 後部座席の倒し方は?フルフラット化の手順
- 運転席をスライドして空間を広げる
- RAV4とハリアーどっちが広い?
- 乗り心地は?車中泊への影響を解説
- 最低地上高は?場所選びのメリット
後部座席の倒し方は?フルフラット化の手順
RAV4で快適な車中泊スペースを確保するための第一歩は、後部座席を正しく倒して可能な限りフラットな状態を作ることです。RAV4のシートアレンジは非常にシンプルで、初心者の方でも簡単に行うことができます。
まず、後部座席のヘッドレストを一番下まで下げるか、取り外して足元などの邪魔にならない場所に収納します。次に、座席の肩口にあるレバーを引き上げながら、背もたれを前方に倒してください。これだけで、荷室とつながった広大なスペースが出現します。
フルフラット化のポイント
RAV4の荷室には、床面の高さを2段階に調整できる「デッキボード」が装備されています。車中泊をする際は、このデッキボードを上段にセットしてください。下段のままだと後部座席との間に大きな段差ができてしまいますが、上段にすることで段差が最小限に抑えられ、よりフラットに近い状態を作り出せます。
ただし、構造上どうしても背もたれ部分にはわずかな傾斜が残ります。この「完全な水平ではない」という点が、RAV4車中泊における最大の課題です。そのまま寝ると体が足元の方へずり落ちてしまう感覚があるため、後述するアイテムを使った傾斜対策が快眠へのカギとなります。
運転席をスライドして空間を広げる
身長が高い方がRAV4で車中泊をする場合、後部座席を倒しただけのスペース(奥行き約1,880mm)では、足がバックドアに当たってしまうことがあります。そこで有効なのが、前席(運転席・助手席)を前方にスライドさせて空間を拡張するテクニックです。
就寝前には、運転席と助手席を一番前までスライドさせ、さらに背もたれも前方に倒しておきましょう。これにより、後部座席の足元スペース(就寝時の頭側)に20cm以上の隙間が生まれます。この隙間を埋めることで、有効な就寝スペースを2m近くまで広げることが可能です。
隙間埋めのアイデア
生まれた隙間には、クーラーボックスや収納ボックス、あるいは取り外したヘッドレストなどを置いて土台を作り、その上にクッションを置くことで枕元のスペースとして活用できます。これにより、180cm以上の方でも足を伸ばしてゆったりと寝ることが可能になります。
RAV4とハリアーどっちが広い?

車中泊用のSUVを検討する際、よく比較対象となるのが同じトヨタのハリアーです。どちらも人気車種ですが、車中泊の快適性や荷室の広さという点では、RAV4に軍配が上がります。具体的な数値を比較してみましょう。
| 項目 | RAV4 | ハリアー |
|---|---|---|
| 荷室容量(5名乗車時) | 580L | 409L |
| 荷室最大幅 | 1,355mm | 1,265mm |
| 室内幅 | 1,515mm | 1,480mm |
| 車中泊適性 | 高い(スクエアな形状) | やや劣る(クーペフォルム) |
表からも分かるように、RAV4はハリアーと比較して荷室容量が約170Lも大きく設計されています。ハリアーはデザイン性を重視したクーペフォルムのため、リアガラスが傾斜しており、荷室の高さや後端のスペースが削られています。一方、RAV4はスクエアな形状をしているため、荷室の隅々まで有効活用でき、頭上の圧迫感も少ないのが特徴です。
車中泊では「寝るスペース」だけでなく「荷物を置くスペース」も重要になります。RAV4なら、大人二人が寝ても足元や脇に荷物を置く余裕があり、より実用的な車中泊車と言えるでしょう。
乗り心地は?車中泊への影響を解説
「乗り心地」というと走行中の快適さを想像しますが、車中泊においては「就寝時のマットやシートの感触」、そして「移動中の疲労度」の両面を考える必要があります。
まず走行中の乗り心地についてですが、RAV4はTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用しており、SUVらしい力強さと乗用車ライクな快適性を両立しています。特にロングドライブをして車中泊スポットへ向かう際、この安定した走行性能はドライバーの疲労軽減に大きく貢献します。
オフロードパッケージなどのグレードではタイヤの扁平率が高いため、路面からの突き上げもマイルドで、長距離移動も苦になりません。
ライターの視点
RAV4のシートはホールド性が高く疲れにくいのが特徴ですが、車中泊でそのまま寝るには少し硬く、凹凸も気になります。走行性能としての乗り心地は優秀ですが、寝心地に関しては、やはりマットによる補正が必須と考えたほうが良いでしょう。

最低地上高は?場所選びのメリット
車中泊スポット選びにおいて、意外と見落とされがちなのが車の「最低地上高」です。RAV4の最低地上高は、ガソリン車やハイブリッド車で190mm〜200mm、オフロードパッケージでは210mm確保されています。
この高さがあることのメリットは、一般的な乗用車やミニバンでは入っていけないような場所でも安心してアクセスできる点です。例えば、景色の良い河川敷や、未舗装の林道奥にあるキャンプサイト、段差のある駐車場など、RAV4なら下回りを擦る心配をせずに進んでいけます。
場所選びの自由度が広がる
最低地上高が高いことは、混雑した道の駅や舗装されたキャンプ場を避け、より自然豊かで静かな場所を車中泊スポットとして選べるという大きなアドバンテージになります。4WD性能と合わせれば、雪国での車中泊でも安心感が違います。
(参照:トヨタ RAV4 主要諸元表)
RAV4の車中泊で傾斜を解消する技

- 段差を埋めるおすすめグッズの活用
- ニトリのアイテムで快適な寝床を作る
- 本格派には専用ベッドキットが最適
- 二人でもゆったり寝るための工夫
- RAV4の車中泊は傾斜対策で楽しもう
段差を埋めるおすすめグッズの活用
RAV4の車中泊で最大の敵となる「後部座席の傾斜」と「わずかな段差」を解消するためには、適切なグッズ選びが欠かせません。ただ単にマットを敷くだけでは、傾斜によって体が徐々に下がってしまい、熟睡できないことがあります。
まず基本となるのが、傾斜の低い部分(荷室側)を嵩上げすることです。ジョイントマットやお風呂マット、あるいは専用の段差解消クッションなどを荷室側に敷き込み、後部座席の背もたれの高さに合わせてレベル調整を行います。その上で、全体を覆う車中泊用マットを敷くのが最も効果的です。
また、インフレーターマット(自動膨張式)は厚みがあるものがおすすめです。厚さが10cm程度あるマットなら、少々の凹凸や段差を吸収してくれるため、背中の不快感を大幅に軽減できます。
ニトリのアイテムで快適な寝床を作る

コストを抑えつつ快適な寝床を作りたい方にとって、ニトリの寝具やアウトドアグッズは非常に強力な味方です。RAV4オーナーの間でも、ニトリ製品を流用して車中泊仕様にするのが定番となっています。
6つ折り軽量幅狭コンパクトごろ寝マットレス
幅が60cmとスリムなため、RAV4の片側だけに敷いてソロ車中泊をするのに最適です。軽量で扱いやすく、使わない時はコンパクトに収納できる点が魅力です。ただし厚みはそれほどないため、銀マットなどとの併用をおすすめします。
高反発3つ折りマットレス
家庭用としても人気のマットレスですが、厚さが7cm〜10cmほどあるため、シートの段差を感じさせない快適な寝心地が得られます。シングルサイズ(幅約97cm)であれば、ホイールハウスの間にちょうど収まるか、少し押し込む形でフィットします。
スツールにもなるマットレス
ニトリの「スツールにもなるマットレス」は、折りたたみ方を変えることでブロック状の椅子やオットマンとしても使えます。車中泊の際はこれを展開して寝床にし、移動中や休憩中はスツールとして活用できるため、限られた車内スペースを有効に使いたい方にピッタリです。
本格派には専用ベッドキットが最適
DIYや汎用マットでの調整が面倒な方、あるいはホテルのような完全なフラット環境を求める方には、RAV4専用に設計された「ベッドキット」の導入が最も確実な解決策です。
MGR Customsなどのメーカーから販売されている専用ベッドキットは、RAV4の荷室形状に合わせて精密に作られています。スチール製のフレームを組んでその上に天板を乗せる構造のため、シートの傾斜や段差の影響を全く受けず、完全な水平面を作り出すことができます。
ベッドキットのメリット
- 完全なフラット: 傾斜ストレスゼロで、家庭用ベッドと同じように眠れます。
- 収納力アップ: ベッド下のスペースが巨大な収納庫になるため、荷物を整理しやすくなります。
- 高い耐久性: 頑丈な作りで、大人が二人乗ってもたわむことがありません。
価格は7万円〜10万円前後と初期投資は必要ですが、頻繁に車中泊をする予定があるなら、その快適さと設営の手軽さは価格以上の価値があると言えるでしょう。

二人でもゆったり寝るための工夫
RAV4は室内幅が広いため、大人二人での車中泊も十分可能です。しかし、快適に過ごすためには一人での利用以上に工夫が必要です。
まず、荷物の置き場を確保することが最優先です。二人が横になると床面はほぼ埋まってしまうため、就寝時に不要な荷物は運転席・助手席へ移動させるか、ルーフボックスを活用して車外へ収納することを検討しましょう。天井付近にインテリアバーやルーフネットを設置し、軽い荷物を上に逃がすのも有効です。
また、寝具はダブルサイズの大きなマットを一枚敷くよりも、シングルサイズのマットを2枚並べるスタイルがおすすめです。相手の寝返りの振動が伝わりにくく、お互いの睡眠を妨げずに済みます。さらに、それぞれの体感温度に合わせて寝袋やブランケットを調整できるため、二人ともが快適な温度で眠ることができます。
プライバシー対策も忘れずに
二人で過ごす場合、車内の明かりや話し声が外に漏れやすくなります。ニトリやカー用品店で販売されている遮光サンシェードやカーテンを全窓に隙間なく設置し、プライバシーの保護と防犯対策を徹底しましょう。
RAV4の車中泊は傾斜対策で楽しもう

- RAV4は後部座席を倒すと広大なスペースができるが、完全な水平にはならず若干の傾斜が残る
- デッキボードは必ず「上段」にセットすることで、シートとの段差を最小限に抑えられる
- 就寝スペースの奥行きを確保するためには、前席を限界まで前へスライドさせ背もたれも前に倒す
- 前席と後部座席の間にできた隙間(約20cm以上)は、クッションやBOXで埋めて枕元として活用する
- RAV4の荷室容量は580Lあり、ハリアーの409Lと比較しても車中泊への適性は非常に高い
- 最低地上高が高いため、未舗装のキャンプ場や河川敷など場所を選ばずにアクセスできる
- ニトリの「6つ折りマットレス」や「高反発マットレス」はコストを抑えた寝床作りに最適
- より快適性を求めるなら、段差を完全に解消できるRAV4専用ベッドキットの導入がおすすめ
- 二人で車中泊をする際は、ルーフ収納や天井ネットを活用して就寝スペースを確保する
- マットは厚さ10cm程度のものを選ぶと、床の硬さや凹凸を感じにくく快眠できる
- インフレーターマットやジョイントマットを駆使して、低い部分を嵩上げするのが傾斜対策の基本
- 遮光サンシェードやカーテンで窓を覆うことは、プライバシー保護と断熱効果の両面で必須
- 走行中の乗り心地は良好だが、就寝時の快適性はマットの質に大きく左右される
- 適切な準備とアイテム選びを行えば、RAV4は最強の車中泊パートナーになる

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